マスカットCAD >洋裁3D-CAD 「マスカットCAD」の紹介
洋裁3D-CAD 「マスカットCAD」の紹介
このページには動画版もあります。
CADとは
CADはComputer Aided Designを略した言葉で、一般的には図面を作るアプリケーションソフトのことを指します。
3D-CADでは図面楽天 ではなく、物を制作するための3Dデータを出力する場合が多いです。
元の言葉の意味からすると、デザインをするアプリケーションソフトならみんなCADと呼べるような気がしますが、混乱を避けるためにここでは物を作るためのデータを出力するアプリケーションのことをCADと呼ぶことにします。
CLOなどのアプリケーションソフトは、服の量産前のサンプル作りをデジタル化するもので、シミュレーションが主な目的です。
こうしたソフトをCADと呼ぶ場合がありますが、混乱するのでこうしたソフトはシュミレーションソフトと呼ぶことにします。
素材で変わるCAD
CADはものづくりをするためのデータを作るものなので、同じ服といっても素材が異なると出力するものも異なってきます。
一般的に服は大きな布を決められた形で切り抜いて縫い合わせて作ります。この場合CADは、布を切り抜くための形、型紙を出力します。
服には糸を編んで作るタイプのもの、ニットもあります。ニット製品を作るためのCADは編み図を出力します。
将来新しい仕組みで作る服が登場した場合、その服を作るためのCADも異なったものになるでしょう。
例えば、金型に繊維を吹き付けて3次元形状の不織布を作る技術も試作されています。こうした技術が実用化されると、金型を作るためのデータを出力するCADが登場すると思われます。
マスカットCADは一般的な布を使って作る服のためのCADです。
洋裁とアパレルの違い
服を作るためのCADは一般的にアパレルCADと呼ばれています。
アパレルという言葉の意味には既製服(量産)という意味もあるので、ここでは個別生産用のCADはアパレルCADと呼ばず、洋裁CADと呼びます。
洋裁とアパレルでは服の形を人に合わせる方式が異なります。
アパレルでは製図した型紙楽天 をグレーディングという方式を用いてL、M、Sなどのサイズに展開します。個人の体格は考慮されないので標準的なサイズを用います。
洋裁では個人の体格が考慮されます。製図する前に着る人の各部寸法を測って原型型紙を作り、この原型型紙を用いて服を作ります。
洋裁では着る人サイズのトルソーに直接布を当てて作る立体裁断の方式もあります。
アパレルCADは製図とグレーディングがセットで発展してきました。これに対し洋裁CADは原型型紙を差し替えることで型紙の形を変える仕組みになっています。
マスカットCADは、原型型紙を使う方式と、立体裁断方式をサポートしています。今後、マスカットCADの派生アプリも公開する予定で、それぞれ原型型紙と立体裁断をサポートする予定です。
3Dに拡張する理由
服飾CADは平面の型紙を出力するので、二次元平面だけの作業でも型紙を描くことができます。しかしそれだけではより良い型紙が作れないので服飾3D-CADが生まれました。
2D-CADでは型紙を作ることができますが、その型紙が体にフィットしているか、シルエットが考えた通りになっているかを確認は出来ません。仮縫いで実際に作ってみる必要があります。
CADの中で仮縫いと型紙補正ができるようになれば大幅に効率が上がりますね、こうした理由で3D仮縫い機能を実装したアパレルCADが生まれてきました。
しかし、個別生産の場合、これだけでは不十分です。タイトフィットな服の型紙を作ろうとすると、修正部分がとても多くなってしまうのです。
マスカットCADでは3Dバーチャルフィッティングに加え、3D採寸も行います。
従来の採寸は、3次元の体を1次元のメジャーで測る方式でしたが、新開発の三角原型を実装しました。
この方式は三角測量で正確な地図を作るような要領で正確な原型型紙を作ることができます。
3D採寸機能を実装することで特定個人向けのタイトフィットな服もCADで作れるようになりました。
服飾向け各アプリケーションソフトが服を作る工程のカバーする範囲を図で示すと下のようになります。
マスカットCADは、特定個人にフィットした服を作ることを得意とするCADになります。
作業はCADにしてもらう
3次元CADではパラメトリック方式で記述するが主流になっています。
パラメトリック方式とは、パラメーター(数値)とメソッド(方法)に分ける記述方法です。
人は直接製図せずに寸法と、製図手順を記述し、CADがこれを読んで製図します。
この方式は、あとから寸法を変更するだけで形状を変えることが可能です。
パラメトリック方式は、洋裁の世界では100年くらい前から使われている、歴史の古いものです。
現代でも原型型紙はこの方式で描くので、原型型紙を使用する個別生産とは相性が良いのです。
マスカットCADでもこのパラメトリック方式を採用しています。
数値だけでなく、トルソーもパラメーターのように扱うことができます。
マスカットCADでは、トルソーを入れ替えることで、CADがトルソーを採寸し、型紙の形状を自動的にトルソーにフィットさせることができます。
最終更新日: 2024-10-15 08:37:04